短歌研究2005/5月号
馬場あき子選 準特選
(何故か旧仮名になっていましたが、こちらでは新仮名で)
海までの距離を測りに行くという尺取虫の背を押してみる
空色のそらとはきっと在りし日の智恵子のなかにしかないのだろう
水色の絵の具は水の色であり空の色ではないのだろうか
午前一時の洗面台を紅く染め切り離されし髪がうごめく
為すべきはあれども私語を交わしつついちご大福なぞ食みており
選後感想~第一首が面白い。「海までの距離」を測る尺取虫という
発想が独特である。木の枝に住む虫の不可能を思い立った背中を
押して励ます。それはおそらく自らへのエールでもあろう。
第四・第五首など、どういう場面での行為なのかがわかるとよい。
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