2005/06/03

短歌研究2005/5月号

馬場あき子選 準特選
(何故か旧仮名になっていましたが、こちらでは新仮名で)

海までの距離を測りに行くという尺取虫の背を押してみる

空色のそらとはきっと在りし日の智恵子のなかにしかないのだろう

水色の絵の具は水の色であり空の色ではないのだろうか

午前一時の洗面台を紅く染め切り離されし髪がうごめく

為すべきはあれども私語を交わしつついちご大福なぞ食みており

選後感想~第一首が面白い。「海までの距離」を測る尺取虫という
発想が独特である。木の枝に住む虫の不可能を思い立った背中を
押して励ます。それはおそらく自らへのエールでもあろう。
第四・第五首など、どういう場面での行為なのかがわかるとよい。

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2005/03/04

短歌作品

今まで採られた歌など

 寂しさはたとえばピアスなき耳の穿たれしその欠落に似て

 一度手を離れればもう戻らない突風に飛ぶ日傘と母と
  (短歌~公募短歌館2004/8月号 田井安曇選 特選)
 病葉の下それぞれに侏儒がいて九月のルールで風と遊べる
      (NHK歌壇2005/1月号 佳作)
 夢に見るかごめかごめの輪の中で許されぬ鬼はいつも目隠し
      (NHK歌壇2005/1月号 佳作)
 冬型の気圧配置のただなかですすきさわさわ宇宙(そら)を打ちつつ
      (短歌~公募短歌館2004/11月号 春日真木子選 秀逸)
 流星を数えつつ孤り彷徨す海辺の墓地に風に打たれて
      (短歌研究詠草2005/3月号 岡井隆選 2首選)
 出会えない!平行宇宙の此岸にて無縁の君をしばし恋せん
      (短歌研究詠草2005/3月号 岡井隆選 2首選)

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